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- 2025.10.20 歯科医師 白井
- 先日、「日本摂食嚥下リハビリテ-ション学会学術大会」に行ってきました。
大会では毎年、様々な職種の方々による“摂食嚥下機能障害に関する検査方法や訓練方法”などの研究発表があります。
検査方法に関しては、現在、嚥下内視鏡検査(鼻から内視鏡を入れて、口から食べ物を食べた時の喉の動きを見る方法)や嚥下造影検査(レントゲンに映る造影剤を混ぜた食べ物を飲み込む時の喉の動きや食べ物の動きをレントゲン動画で見る方法)が主流ですが、嚥下エコ-検査も実用化されてきています。嚥下エコ-検査は、妊娠中にお腹の中の赤ちゃんの状態を確認するエコ-検査の応用で、喉の外から喉の中の動きを見る方法で、嚥下内視鏡検査や嚥下造影検査に比べて患者さんに与える負担は軽いのですが、喉の細かい動きを診るためには習熟が必要なようです。今後、熟練した技術を身に着けた医療職の方も増えてくると思います。
訓練方法に関しては、“おでこ体操”を行うときに、両肘を机に付いて行うと嚥下関連筋(飲み込む時に使う筋肉)がより効果的に鍛えられるといった、従来の機能訓練の改良法や喉にパッドを着けて電気刺激で嚥下関連筋を鍛える方法(お腹にパッドを着けて電気刺激で腹筋を鍛える商品が通販などで売っていますが、その嚥下関連筋用の医療機器)など様々な方法が発表されていました。
また、喉の運動機能が不良で誤嚥してしまう患者さんに、“バキュ-ム嚥下法”(重力で食道に食べ物を落とすのでなく、食道内に陰圧を作って掃除機のように食道に食べ物を引き込んでしまう方法)も紹介されていました。ただ、このバキュ-ム嚥下が行えるようになるには練習が必要で、Youtubeに「バキュ-ム嚥下指導動画」があるので参考にすると良いと思います。これに付随して、食道の筋肉を鍛える“腰上げ(ブリッジ)空嚥下訓練”なども紹介されていました。
良いものは残り、あまり効果的でない手法は消えてゆくと思いますが、こういった研究・実践・検証評価の積み重ねで医療は進歩してきました。私が歯科大学の学生であった頃は、「摂食嚥下機能障害」という言葉も考え方も存在しませんでしたが、現在の摂食嚥下機能障害に対する対応に至るまでには、数えきれない研究者の皆様の大変な努力があったと思います。様々な職種の大勢の研究者の皆様のたゆまぬ努力で、誤嚥性肺炎で命を落とす方がいなくなり、“最後まで美味しく食べられる”日が一日でも早く来る事を切に願っています。
また、窒息に関して耳鼻咽喉科の先生のお話がありました。最近、給食を食べている時に“うずらの卵”を喉に詰まらせて窒息死してしまったお子さんの話がニュ-スになりました。学校の先生は背部叩打法やハイムリック法を試みたのですが詰まった卵を取り除く事が出来なかったそうです。そんな時には、マニュアルではやってはいけない事になっていますが、指で掻き出すのが一番確実な方法だそうです。マニュアルでやってはいけない事になっている理由は、喉の奥の食べ物が詰まっている部分まで指が届かない事と指を嚙まれる危険があるからだそうです。しかし、お口の正面から指を入れると届かないし噛まれてしまいますが、口角部分(お口を開けた時の上唇と下唇の交差する横の部分)から指を入れると咽頭部(食べ物が詰まっている部分)に指先が届くし噛まれるリスクも低いそうです。詰まっている食べ物をほんの少し動かして気道に隙間を開けるだけでも窒息死は免れ、講師の先生やスタッフはこの方法で何人も助けているそうです。背部叩打法やハイムリック法でダメな場合、窒息死をただ待つだけより実施してみる価値はあると思います。
様々な有効な知識や技術も限られた人達だけで使っているのは勿体ないので、それを共有するために学術大会の発表があり、我々関係職種は学術大会などに参加して得た知見を患者さんに還元してゆくのが責務だと思っています。
年寄りの長~~い“つぶやき”にお付き合い頂きましてありがとうございました。
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- 2025.09.28 あいクリニック 管理栄養士山川
- フレイルとは、心身のさまざまな機能が加齢や病気などによって低下してしまった状態を指し、40歳から始まると言われています。
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