日本の高齢者


元気印の高齢者ゴルファー
上手なお酒との付き合い方を学ぶ
 昨今のわが国は、やたらと女性の賑々しさばかりが目立つようになった気がしているが、2月末にベトナムを旅して、久々に、元気印の日本人男性と出会った。4人は77~79歳、大学の同級生で、ハノイとホーチミン郊外でゴルフをした直後だった。成田発、3泊4日のツアーは、かなりハードな日程だ。声をかけられたとしても、私なら参加を考えてしまうと思った。
 卒業後30年の集まりで、毎年、ゴルフコンペを開くことを決めた。年に数回、大会を開催、10人以上で海外に出かけてプレーをしたこともあったが、現在もゴルフを続けているのは4人だけになってしまったという。
 健康状態の個人差は大きいが、80歳近くになっても、海外ゴルフツアーを楽しむためには、どうすればよいかを尋ねた。「仕事で無理を重ねる。ストレス過多で、ついつい酒量が増えるモーレツ生活を送ってきた連中からゴルフに来なくなり、いなくなってしまった」という。いっしょしたメコン川観光で汗をかいた。しかし、昼食時にビールを頼んだのは、私だけだった。4人に共通しているのは、酒が強くなく、それほど好きになれず、宴会出席が少なかったこと。ジャスミンティを注文していたが、プレーの途中で飲酒することは、昔からないという。
 度を越して酒を飲むと、塩分の多い食事を欲するなど、食生活が乱れる。さらに運動する機会が減り、肥満の引き金となる。国立がん研究センターは、3月5日、禁煙、節酒(1日、日本酒1合以下を週6日以内)、減塩、適度な運動、適正体重の維持に注意して暮らしている人は、がんに罹る危険性が、男性で43%、女性で37%減少するとの研究結果を発表した。酒と上手に付き合うことが、健康の秘訣であることを、4人からあらためて教えてもらった。
日刊工業新聞 2012年3月23日

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