唾液と誤嚥性肺炎の関係

唾液には雑菌(ウィルスや細菌)を退治する成分が含まれていて、お口の中を清潔に保つ役割があります。
動物が怪我をすると傷口を舐めますが、これは唾液の殺菌成分で傷口を消毒しているわけです。唾液の出が悪いと、お口の中の雑菌が増えてしまい、むし歯や歯周病になりやすくなりますし、食べ物を咀嚼する時に、お口の中に雑菌がたくさんいると雑菌まみれになった食べ物を飲み込む事になります。食道に入り胃袋に行くと胃液で雑菌は死滅しますが、誤って気道に落ちてしまい肺に雑菌が入り込んでしまうと肺炎(誤嚥性肺炎)になってしまいます。

また、唾液には咀嚼嚥下を助ける働きがあります。食べ物を食べるという事は、食べ物を咀嚼して、唾液と混ぜ合わせて泥状にして食道に送り込む(飲み込む)一連の動作を言います。唾液が充分に出ないと食塊が泥状にならずに、パサついて「むせ・誤嚥」の原因になります。

唾液は血液から造られます。血液が唾液腺の中に入ると、一瞬で赤血球などの成分が取り除かれて唾液に変化します。唾液の元になる血液は約80%が水分なので、水分の摂取量が不足すると血液がドロドロになり唾液が充分に造られなくなってしまいます。水分を充分摂って頂きたいのですが、年齢が増してくると体の中に水分を蓄えておく能力(保水力)が低下してしまうので、一度に多量の水を飲んでもすぐに尿となって排出してしまうので、コップ一杯程度の量を間隔を開けてこまめに飲むようにして、一日のト-タル最低量で体重×30ml(体重100kgの方は100×30ml=3ℓ)の摂取を目指して下さい。
また、唾液線の働きそのものも衰えてくるので、食事前に「唾液腺マッサ-ジ」を行って、唾液の出を良くして下さい。
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